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禁煙外来

喫煙は生活習慣病の大きな原因の一つです。タバコは喫煙者に肺がんや肺気腫など様々な疾患を起こし、さらにその周囲の人々(受動喫煙)にも健康被害をもたらします。
また、喫煙は汚染された可能性のある指を何度も口元に近づけることになるため、新型コロナウイルス感染のリスクや肺炎重症化のリスクを高めるとも言われています。世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症対策としても、禁煙を強く推奨しています。
禁煙は「味覚・嗅覚および口臭の改善」のほか「お金の節約」など数多くのメリットがあり、何よりご自身や周りの大切な人々の健康を守るうえで、とても必要なことです。

禁煙で得られる健康面のメリット

ニコチン依存症

近年タバコを吸わない人の割合が増加してきており、屋内外で「受動喫煙対策」の強化が進んでいます。しかしながら、タバコをやめたいけど有効な禁煙の方法がわからない方も多いと思います。また、タバコが健康に悪いと分かっていても、タバコに含まれるニコチンの依存性が高く、禁煙することは容易でありません。これを「ニコチン依存症」といいます。

タバコをやめられないのは、「ニコチン依存症」という病気のせいです

禁煙治療

わが国では、ニコチン依存症に対して、医療保険を用いて禁煙治療を行うことができます。
医療保険の適応条件としては、下記の通りです。なお、保険の適応は1年に1回限りです。

  • 直ちに禁煙しようと考えていること
  • TDSテスト※で5点以上であること
  • 35歳以上の場合、ブリクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること(ただし、35歳未満ではこの条件はありません)
  • 禁煙治療を受けることを文書により同意していること

※TDSテスト(Tobacco Dependence Screener):ニコチン依存症スクリーニングテスト

TDSテスト(Tobacco Dependence Screener)

TDSテスト(Tobacco Dependence Screener )

現在わが国で入手可能な禁煙補助薬としては、ニコチン製剤として、医師の処方箋が必要なニコチンパッチと、処方箋なしでも薬局・薬店で購入できるニコチンパッチニコチンガムがあります。また、内服薬としては「バレニクリン(チャンピックス®)」があります。

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バレニクリンの治療法

医療保険での本治療は下記のように初診から最後の診察(12週間後)まで計5回の受診が必要です。なお、5回(12週間)以降も禁煙の継続に不安があれば、自費での投薬継続が可能です。

本治療の流れ

患者様の中には本治療薬を12週間も服用しなくても禁煙ができたと判断して、途中で服薬をやめたり、受診しなくなったりする方がいらっしゃるようです。しかし、下記のように受診回数別の禁煙成功率では、初回の診察で治療を中断するとわずか4.7%、最後の5回目まで診察を受けた方でも47.2%の成功率しかなかったという調査結果があります。従いまして、禁煙治療において大切なことは、治療を中断しないことです。

受診回数別の禁煙成功率

オンライン診療

禁煙治療の継続性が大事であることは前述の通りですが、仕事や家の都合もしくは最近の新型コロナウイルス感染の影響で外出の自粛が求められて受診が継続できない場合があります。そこで、2020年4月の保険改正では、禁煙外来全5回の通院のうち、2~4回目の受診を対面診察ではなく、オンラインの受診でも薬の処方が可能になりました。ただし、オンライン診療であっても初回と最終の5回目だけは対面での受診が必要です。

2~4回目の受診を対面診察ではなく、オンラインの受診でも薬の処方が可能

当院では2020年9月より、禁煙を頑張りたい方をサポートするために、このオンライン診療を組み合わせた禁煙外来サービスを提供しています。オンラインであれば、院内での待ち時間の回避や感染予防にもつながり、便利さも向上すると思われます。
また下記のように、禁煙外来を対面のみとオンライン診療を組み合わせた場合を比較した結果、後者の方が治療継続率が高かったという報告もあります。

2~4回目の受診を対面診察ではなく、オンラインの受診でも薬の処方が可能