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脊椎の手術

脊椎手術の中で最も多いのが、主に若年者の椎間板症や加齢にともなう脊椎変性疾患に対する腰椎の手術です。最近では骨粗鬆症に伴う腰椎の圧迫骨折に対する手術も増えています。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板の変性に伴い、後方に膨隆・突出・脱出して神経を圧迫し、神経症状を呈します。

椎間板酵素注入療法(ヘルニコア)

椎間板内に直接針を刺して「ヘルニコア」を注入して、その有効成分であるコンドリアーゼが、突出した椎間板内の髄核を溶かして、ヘルニアによる症状(下肢痛・腰痛など)を改善する治療法です。
これまでの保存治療(安静・くすり・装具・神経ブロック・リハビリテーションなど)や手術療法(切開してヘルニアを摘出)とは異なる画期的な治療法(2018年8月より保険適応)です。
※2022年4月の保険改定により、当院でのヘルニコア治療を実施・再開できるようになりました。本治療をご希望の方は当院の前澤医師の診察をお受けください。

椎間板摘出術(Love法)

十分な保存療法(くすり・神経ブロック・リハビリテーションおよびヘルニコア治療など)を行っても症状の改善が見られない場合や筋力低下などの麻痺症状を伴った場合に手術が必要です。
腰背部に約4cmの皮膚切開を入れ筋肉を骨から剥離し、椎弓の一部を削り、椎間板を取り除く方法があります。
当院では術後翌日から簡単な腰痛ベルトを装着して歩行を開始し、創治癒を確認後、術後10日前後で退院となります。

内視鏡下椎間板摘出術(micro-endoscopic discectomy: MED)

わずか2 cm弱の小切開を行い、そこから内視鏡を入れ、モニターに写し出された画像をみながら、ヘルニアを摘出するという手術です。この方法であれば、筋肉を骨から剥離せずに筋肉の間を分けて進入しますので、術後の疼痛が非常に少なく、手術翌日から歩行でき、術後最短で5日程度で退院が可能となります。

腰部脊柱管狭窄症

加齢に伴う椎体や椎間板、黄色靭帯などが変形肥厚すると、脊柱管が狭くなり、中を通っている神経の束を圧迫します。

正常な脊椎
腰部脊柱管狭窄症

腰やお尻や足にかけて痛みやしびれがでたり、「間欠性跛行」と呼ばれる症状があらわれます。

当院では、薬物療法(プロスタグランディン製剤や消炎鎮痛剤など)やリハビリテーション(温熱療法または体操など)およびブロック療法(仙骨部硬膜外ブロック・選択的神経根ブロック)などの保存的治療でも改善しない腰痛および下肢痛に対して、以下の手術治療を行っています。

椎弓切除術(開窓術)

神経を圧迫している骨や靭帯を切除し圧迫から神経を解放します。

脊椎固定術

分離すべり症や不安定性を呈するすべり症の場合、脊椎固定術(後側方固定術PLFおよび後方椎体固定術PLIF)を併用することがあります。

PLIF(左:術前 右:術後)

骨粗鬆症に伴う圧迫骨折

経皮的椎体形成術(BKP:Ballon Kyphoplasty): 脊椎圧迫骨折によって潰れてしまった椎体を、バルーン状の手術器具を用いて骨折前の形に近づけ、その空間に医療用の充填剤(骨セメント)を用いて椎体を安定させ、痛みを和らげる治療法です。

この治療法の特徴は、全身麻酔下に短時間の手術(40-50分)で、早期に痛みの軽減が行え、翌日よりコルセットを装着し歩行できることなど生活の質(QOL)の向上が期待できることです。

BKP(左:術前 右:術後)

背中から針を刺し、骨折した椎体への細い経路をつくります。そこで小さな風船のついた器具を入れます。

椎体の中に入れた風船を徐々にふくらませて潰れた骨を持ち上げて、できるだけ骨折前の形に戻します。

風船を抜くと、つい体内に空間ができます。その空間を満たすように骨セメントを充填します。

手術は約40分程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。

脊椎圧迫骨折に対するBKP治療

当院では、これまでに282件(2024年2月末現在)のBKP治療を行っています。

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