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体外衝撃波治療のご案内

衝撃波を患部に照射することで、痛みの消失あるいは軽減が期待できる治療です。元来、体外衝撃波は1980年代から腎臓結石などの結石破砕治療として医療に用いられています。
整形外科領域では新しい治療法で、欧米ではスポーツ選手の筋・腱・靭帯障害の疼痛改善を目的として、低侵襲安全かつ有効な治療法として広く使用されています。
本邦でも、体操の内村航平選手が世界選手権直前に、右足の「前距腓靭帯損傷」を短期間で治療するために取り入れたことでも知られています。

衝撃波とは?

音速を超えて伝わる高出力の圧力波です。自然界では隕石の落下、火山の噴火、雷などによって起こります。ジェット機やロケットが音速を超えた時にも生じます。

隕石の落下
火山の噴火
ジェット機

衝撃波は、超音波に似ており、音響的特性が類似した物質内は直線で進み、音響インピーダンス(組織固有の音響的抵抗値)が異なる組織との境界で衝突し、屈曲・反射します。ただ超音波とは異なり、減衰しにくいことから、より深部に照射することができます。また非連続な波形であることから、出力を強くしても熱が発生しにくい特徴があります。

体外衝撃波治療ESWT:Extracorporeal Shock Wave Therapy)について

この衝撃波を利用した治療が、体外衝撃波治療です。治療装置内の水中で発生させた衝撃波を体内に照射します。水分を多く含む筋肉と脂肪は通過し、硬い腱付着部、腱の変性部分、骨に当たると、衝撃波が屈折・反射したエネルギーが放出されるため、深い患部にピンポイントで当てることができます。体外衝撃波治療の効果は、照射した直後の除痛とその後の組織修復の促進が特徴です。
近年整形外科では、腎臓や尿路結石の結石破砕に使用する衝撃波の10%程度の低出力の衝撃波を、腱付着部障害骨性疾患に対して照射する治療に利用されてきました。

体外衝撃波治療の効果

なお、体外衝撃波治療装置には、「拡散型」と「集束型」の2種類があります。「拡散型」は、浅くて広い範囲の治療として用いられ、筋肉をほぐす効果があります。それに対して「集束型」は、痛みのある治療範囲にエネルギーを集束して照射するために、患部のみピンポイントに高い除痛効果と組織修復効果をあげることができます。

拡散型(Radial Pressure Wave)

拡散型(Radial Pressure Wave) 

集束型(Focused Shock Wave)

集束型(Focused Shock Wave)

当院では、2021年3月より、「集束型」の体外衝撃波治療装置の 『DUOLITH® SD1(デュオリスSD1)』を導入しました。福井県初の導入、北陸地方では3台目の導入となります。

DUOLITH® SD1(デュオリスSD1)
DUOLITH® SD1(デュオリスSD1)

本装置は、操作性に優れ正確に適切な強度で照射することができる最新の機種です。初めて衝撃波治療を受ける方や治療時の痛みに弱い方、患部の痛みが強い方にも安心して治療を受けて頂けます。

体外衝撃波(集束型)治療の適応

国際衝撃波治療学会(ISMST)では、下記の疾患が適応対象とされています。

足部

  • 足底腱膜炎
  • アキレス腱炎
  • アキレス腱付着部炎
足部

下腿

  • シンスプリント
下腿

  • ジャンパー膝
    (膝蓋腱炎)
膝

  • テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
  • ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)
肘

  • 石灰沈着性腱板炎
  • 腱板炎
肩

骨折

  • 偽関節
  • 疲労骨折
骨折

その他

  • 早期の無腐性骨壊死
  • 早期の離断性骨軟骨炎(野球肘)
その他

治療の実際について

外来にて、診察とレントゲンやMRI検査などで適応があれば、治療日を決めます。なお後述しますが、治療が自由診療の場合、治療当日に薬や検査や注射などの保険診療はできません。

照射治療の流れ

  • 圧痛点または超音波エコーで照射部位を特定します。
  • リハビリ室の治療台にて、照射しやすい体位(座位や臥位)をセッティングします。
    照射:腕
    照射:足
  • 低レベルの照射から開始し、反応をみながら徐々に出力を上げます。
  • 目的とするショット数(通常2,500で、骨性の場合は4,000)に達したら終了します。
  • 1回の治療時間は通常約15分で、骨性の場合は約25分です。
  • 腱などの軟部組織には1週間に1回照射し、骨折の治療では1ヶ月に1回、各々3回照射します。

入院の必要がなく、外来通院で治療が可能です。治療後もすぐに歩行できます。

治療の効果について

前述したように、体外衝撃波治療には、下記の効果があります。

短期的な除痛効果

  • 痛みを誘発している神経の終末を変性・破壊します。
  • 痛みに関わる神経の伝達物質(CGRP、Substance-P)が減少します。

長期的な除痛・組織修復作用

  • 血管新生、コラーゲン産生を促す成長因子を産生して、組織修復を促します。
  • 炎症の要因となっている物質(サイトカイン)の発現を抑制します。

なお、体外衝撃波治療は、完全なる除痛を保証するものではありません。また治療効果や治癒期間に個人差があり、平均的治療効果は60%〜80%と報告されています。
※一般的に2~3回の繰り返し治療で効果が確認されています。

安全性と有害事象について

当院に導入している 『DUOLITH®SD1(デュオリスSD1)』 は、体外衝撃波疼痛治療装置として2018年8月に厚生労働省の薬事承認を取得しています。副作用がほとんどないのが特徴ですが、以下のことが起こる可能性があります。

  • 治療中と治療後の疼痛
  • 皮下出血・発赤・腫脹・湿疹
  • 感覚異常

上記の発症はごくまれですが、いずれも一時的で、数時間~数日で軽快します。

治療費用について

原則として、集束型の体外衝撃波治療は自由診療です。費用は下記の通りです。

1回目 16,500円(税込み)
2回目以降 5,500円/回(税込み)

また2カ所以上治療の場合、別部位の治療ですので、1部位毎に上記の費用が必要になります。
なお、治療当日は自由診療になりますので、検査や薬・注射などの保険診療との併用は一切できません。予めご了承お願いいたします。

ただし「足底腱膜炎」で、しかも6ヶ月以上の保存治療(内服薬・湿布・インソールなど)を行っても痛みが改善しない「難治性」の場合のみ、保険診療の対象になります。

一連の治療(3回)で保険点数5,000点(50,000円)のため、以下のようになります。

3割負担 15,000円
2割負担 10,000円
1割負担 5,000円

なお、3ヶ月経過後に十分な効果が得られない場合、本治療の継続の可否を診察にて判断させて頂きます。

メディア掲載

体外衝撃波治療をご希望の方へ

スポーツ傷害などによる筋・腱・靭帯障害に悩んでおられる方で、「体外衝撃波治療」をご希望の方ならびに関心のある方は当院までお気軽にご相談下さい。また当院に通院中の方も、理学療法士または医師にご連絡ください。
なお、慢性の筋・腱・靭帯障害の治療として、当院では「体外衝撃波治療」の他に「PRP-FDによる再生医療」も行っております。こちらの方も、ホームページでぜひご覧ください。

まずはお気軽に下記までご相談ください。

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TEL:0776-57-5000

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